タイのカレーペーストは日本でもいろんな種類が売られています。でもタイカレーを作るときに「本当にこの味で合ってるのか?」と思いながら作ってる方も多いんじゃないでしょうか??
森のカレー、ゲーンパーの特徴は?
แกงป่าゲーンパーの特徴はたくさんの野菜が入って具沢山であることと、ココナッツミルクは入れず、さらっとしてて辛さが強いこと。
ゲーン=カレー、パー=森の意味。なので、「森のカレー」とか「ジャングルカレー」という名でも呼ばれます。もとはココナッツが採れないようなジャングルの高地で、狩猟した動物を使って作ったカレーという意味だそうです。肉の臭みを消ためにたくさんのスパイスを使うので、ペーストの材料や具にกระชายグラチャイが入るのも特徴。といっても、現代の家庭で猪や鹿肉を使うことはまずないので、入れようが入れまいが、それは各家庭や店鋪の好みなんだと思います。
タイカレーペーストに載ってる作り方は難しい?
「MAE PLOY/メープロイ」ブランドのゲーンパーカレーペーストです。タイの野菜やハーブがたくさん入ってておいしそうな写真ですが、これを日本でそろえるのは結構大変(^_^;)それに、このペーストの裏に書いてあるゲーンパーの作り方を見ても…
<ゲーンパーの作り方>
- 600ccの湯を沸かし、カレーペーストを溶かし煮立ったら好みの野菜、肉を入れ煮込みます。
- ナンプラー等で味を整え暫く煮込んで完成です。
…と、まあ超アバウトなので、タイ料理の知識がなかったりゲーンパーを食べたことがなければ調味はかなり困難かと思われます(^∀^;)
しかーし!今日はこのざっくりレシピで作ってみましょー。
ゲーンパーを表示通りアバウトなレシピで作ってみた
ゲーンパーによく使われるのはヤングコーン、丸なす、いんげん、きのこ、肉、グラチャーイ、ホーラパー、チーファー、ガパオ、バイマックルーなどですが、家にあったものをかき集めただけの「好みの野菜」を準備しました。肉、野菜あわせて150gほどです。
使ったのは、豚肉、キャベツ、ピーマン、セロリ、人参、タマネギ、舞茸、それからグラチャーイとチーファーがあったのでこちらも。タイでカレーにタマネギを使うことはあんまりないと思いますが、今回は「好みの野菜」で。
1:湯を沸かし、カレーペーストを溶かし煮立ったら…
好みの野菜、肉を入れ煮込みます。(先に肉と煮えにくい人参から入れて、5分ほど煮込みました。)
(チーファーとピーマン以外の野菜を入れてから)
2:ナンプラー等で味を整え暫く煮込んで…(今回は表示の半量の水300cc、ペースト25gで作り、ナンプラー大さじ1.5、砂糖小さじ半分を入れました。)
(調味がすんでからチーファー、ピーマンを入れてさっと煮たら)完成です。
野菜がたくさん入ってるぶん甘みやうまみが出るので美味しく仕上がりました。人参やキャベツなど煮込むと甘みの強くなる野菜を入れたため、よりいっそうマイルドな仕上がりになったように思います。野菜や肉の選択次第で味って変わると思うので、”好みの”っていっても本来のゲーンパーのワイルドな味に近づけるのはけっこう難しいかなあと…(^_^;)
出来合いのペーストなので仕方ないんですがハーブの香りはあまりないし、辛みも控えめです。フレッシュハーブで手作りするペーストに勝るものは無いけど、さくっと簡単に調理出来るのは市販のペーストのいいところ(〃´∀`〃)
上の画像は以前熱帯食堂さんでいただいたゲーンパー。わりと似た味に仕上がったように思います。なす、タケノコ、カラーピーマン、フクロタケなどめちゃめちゃ具沢山でしたが、こちらも辛みはそんなになく食べやすかったですし、野菜の旨味がいっぱい!辛みが無いと言うと語弊がありますが…タイで食べるゲーンパーはとっても辛くてワイルドなスープなので、それに比べたらマイルド(*´∀`)
別の某日本人経営のタイ料理店では”お砂糖たっぷり、辛さ控えめゲーンパー”が提供されていたので、「そりゃ”ナンプラー等で味を整え暫く煮込んで完成です”の作り方ならそうなってもしょうがないよね…」とも思いますが、お客さん!!どうかそれをゲーンパーだと思わないでほしいのです…(ノД`。)
ペーストは先に炒める?お湯で煮込む?
ところで、今回使ったペーストに載ってた作り方ですが、日本語表記とタイ語&英語表記では実はかなり異なっています。
日本語部分をピリピリめくってタイ語表記を見ると、こう書いてあります。
<作り方>
大さじ2の油でペーストを香りが出るまで炒めたら200gの肉を入れさらに炒め、水を2カップ(1cup=250ccと思われる)入れて煮込み、100-150gの野菜を火が通るまで煮て、調味します。
…アバウトには変わりない!!けど、肉や野菜の分量とかはまだもうちょっと詳細になってるという…(・∀・;)
決定的に違うのがペーストの調理方法なんですが、これは日本語レシピが間違ってるとかじゃなくて、ペーストを先に炒めるかお湯で煮込むかは好みなんだと思います。
例えば、グリーンカレーやマッサマンカレーなど、油をたくさん出したいカレーは先にココナッツミルクの油脂分で炒めてペーストの香りをしっかり引き出します。変わってแกงส้มゲーンソムのようなサラッとあっさりしたカレーはお湯の中にペーストを溶かします。ゲーンパーの場合は、もっとハーブの香りを立たせたければ先にペーストを炒めてもいいだろうし、逆に脂肪分を減らしたければお湯で茹でてもいいと思います。
そう考えると、お湯で煮込む派の日本語レシピは、健康志向の日本人に合ってる気もします。
ちなみに、同じメープロイブランドのカレーペーストでもタイの台所が輸入してるものは氏家アマラー昭子先生指導という表記で、先のものより詳細にレシピが書かれています。でもゲーンパーペーストは見たこと無いなあ。タイの台所からの販売はあるんだろーか??
追記:タイ語バージョンのレシピでも作ってみました。
つづきはコチラ>>ゲーンパーカレーペーストの表示通りに作ってみた結果…後編